Gcomホールディングス株式会社様

標準仕様に沿った新パッケージ開発でVSSDとVSAGを採用 自社内でも標準化を推進

Gcomホールディングス株式会社様

導入製品:VSSD VSAG

福岡市に本社を置くGcomホールディングス株式会社は、市町村向け業務パッケージ等を手掛けるITサービス企業。同社では、国の政策 で進められている自治体情報システムの仕様標準に対応する、新たな自治体業務パッケージの開発に際して、システム設計ツール「VSSD」 と、ローコード開発ツール「VSAG for Wicket」を導入。その結果、システム設計・開発の標準化の第一歩を踏み出すことに成功した。

導入前の課題
  • 設計仕様書をExcelで作成しており、開発中の画面設計や確認にも手間がかかっていた。
  • パッケージシステムが対応する複数業務で仕様が異なる場合もあった。
  • 過去に蓄積したドキュメントの活用が思うようにできていなかった。

導入後の効果
  • モックアップなどの自動生成や自動反映により、手戻りが減少。
  • 社内での標準化の第一歩として、パッケージ内の他業務にも適用できる環境が整った。
  • システムの設計、開発の効率化にも期待。

半世紀に渡り市町村の業務改善に注力、国の標準化にも追随

Gcomホールディングスは2010年設立のITサービス企業であり、主に市町村の事務改善に特化した事業を手がけている。創立は1971年まで遡り、最新の技術を取り入れた製品やサービスの提供を通じて、半世紀に渡って地域社会に貢献してきた。

同社では、市町村の情報システムの中でもバックオフィス系システムに強みを持っている。住民情報を管理する住民系と、市町村の内部情報を管理する内部系、どちらの分野も得意としており、古くは汎用機(メインフレーム)の時代からパッケージソフトウェアを提供し続けてきた。さらに、自治体クラウド、市町村の働き方改革やデジタルトランスフォーメーション(DX)など、先進的な取り組みにも積極的に関わっている。

市町村におけるシステム環境は、これまで自治体が個別にシステムベンダーへ発注したり、複数市町村で共通の仕様書を作成して同一ベンダーに発注するといった形でシステムを調達していた。Gcomホールディングスをはじめとするベンダーが提供するパッケージは、その仕様書に適合させるためカスタマイズが行われることも珍しくはなかった。

それに対し、近年では政府の主導で全国一律の標準仕様書を策定する、標準化の動きが加速。各ベンダーは標準仕様書に基づくパッケージシステムを提供し、各自治体はそれを原則としてカスタマイズせず採用する、という形態へ変わろうとしている。標準仕様は随時見直される計画で、システム更新を通じて全国的に自治体業務のアップデートが進むことになり、業務のデジタル化、効率化、DX推進などを加速させるものと期待されている。

この政策により、地方行政機関にとってはシステムの調達が大きく変わることになり、ベンダー側にしてみれば受注競争が激化することが予想され、同社にとっても対応は急務になっていた。標準化が進められているのは、住民系に相当する領域の約20業務だが、先行して住民記録システムに関する標準仕様書が策定されており、同社もこれに沿ったパッケージの開発に乗り出している。

国の標準仕様に沿ったパッケージ開発に沿うべくVSSDとVSAGを採用

この新たなパッケージ開発チームでは、もう一つの取り組みとして、システム設計・開発を効率化するツールの導入にも挑戦している。ツール導入に伴い、Gcomホールディングスでは、これまで社内で感じていた課題の解決も図ろうとしていた。

同社 第1製品開発部 住記2課 リーダーの杉山恵弘氏は、「これまで設計仕様書はExcelで作成しており、開発していく過程で修正があったときの反映の手間など、課題が多かったように思います。また、長年に渡って蓄積してきた仕様書も、ただ蓄積されているだけで、特に活用できていませんでした」と説明する。

上述した課題を解決するツールとして同社が選定したのが、第一コンピュータリソース( 以下、DCR)のシステム設計ツール「Verasym System Designer」(以下、VSSD)と、ローコード開発ツール「VerasymApplication Generator for Wicket」(以下、VSAG)だ。

「VSSDなら、マニュアルを読み込むことなく使うことができると判断しました。開発が楽になるだろうと期待しての選定です。ツール選定では純粋に機能性や使い勝手の良さなどを評価しました」(第1製品開発部 住記1課 小笠原正尭氏)

こうしてVSSDとVSAGを2021年末に導入し、まず数カ月かけて両製品を用いた開発環境を整備、2022年4月頃から一部の開発メンバーが先行して利用を始めている。今後、部内に展開して本格的に使用する予定としている。

「VSSDとVSAGを使用している開発メンバーから、さまざまな質問が上がってくるので、そのたびにDCRのサポート窓口に問い合わせました。サポートの対応品質は良好で、回答も的確だったので、疑問点もすぐ解消できています」(小笠原氏)

開発の効率化を実感し、VSSDの習熟度に伴い自社内の標準化も進展

VSSDとVSAGは、Gcomホールディングス社内における標準化の取り組みにも使われている。

「当社が開発してきたパッケージには多彩な業務が含まれていますが、そこに使われてきた画面や帳票のフォーマットは、業務により微妙に食い違いがありました。現在開発中の住民記録システムは一部だけですが、ゆくゆくは他の機能にも適用することを意識し、全業務に展開できるよう標準化を図ることにしたのです。その過程で上手くいかない部分も出てきますので、第1製品開発部メンバーで話し合って決めながら、随時ブラッシュアップしています」(小笠原氏)

VSSDとVSAGを使用すれば設計書の統一化や設計書間の整合性が保たれるため、このような取り組みには効果的だ。

「これまで統一性のなかった設計書においては解消していく道筋が見えました。VSSDとVSAGにより、開発標準化が進展したといえるでしょう」(杉山氏)

同社が開発を進める国の標準仕様書に沿った住民記録システムは、現在も開発中であるものの、VSSDとVSAGの導入により開発作業の効率化が図れると感じている。

「VSSDとVSAG のおかげで、一連の開発の流れを動かして見ることもできる状況です。今までは初期段階で、社内での標準化などさまざまな決まり事を作るために時間や手間を取られていましたが、これからいよいよ効果を実感する段階に入ったといえます。統一感のある取り決めができたので、その点でも効率化が進むことでしょう。」(杉山氏)

修正内容の自動反映により、不整合がなくなり開発が容易に

システム設計・開発の現場においては、すでにVSSDの効果を実感する場面が多いようだ。 第1製品開発部 住記1課の大西麻葉氏は、以下のように語っている。

「個人的にメリットを感じる点は、ドメイン定義です。これまでは画面項目を設定する際にDBレイアウトのドキュメントを開いて確認しながら行う必要がありましたが、VSSDはドメイン定義を画面項目に紐づけるだけで属性や桁数が自動で反映され、DBレイアウトに変化があったときも自動で反映してくれるので、設計とメンテナンス工数が削減できている。

あと、これまではExcelで画面レイアウトを作成していたのですが、実際の部品と違うので、プログラムを組んだ後に微調整が必要となり、そこでも余計な手間がかかっていましたが、VSAGはVSSDで作成した通りの画面が出力されるのでそこにもメリットを感じている。

そもそも、VSSDが自動生成してくれるモックアップは関係者への説明もしやすく、設計の早い段階で意見をいただいて反映できるので、手戻りの発生が少なくなっていると感じている。Excelでの仕様書、設計書には手間が多いだけでなく、不整合もありましたが、VSSDにより不整合の心配もなくなりました。」(大西氏)

このように、VSSDとVSAGの導入により、Gcomホールディングス社内における開発は確実に効率化へ向かっている。今後もVSSDとVSAGは開発に寄り添い、同社が目指す標準化に貢献していくことだろう。

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